追憶のフォスフォレッセンス
古里に機織り在り 外灯り暗し
縦糸に星 横糸に闇 星の煌めきたるがゆえ 闇の安らかなり
夜魔に襲はるる海の汐 思ひ沈む船の舵取り惑ふ
天彩る道の星之きも 命(メイ)織りなす神秘の戯言も
地なる瓶(カメ)に汲みたる光の束 土なる生 根なる命 茎なる力
宵闇の時の職人 落とすは時の蔭
蜘蛛の糸辿る魚の 落とし給ひて
角(ツノ)を頼りに落人の 覚るを開き給ふ
船浮く水の暗闇に 異海の風の囁く先
遥か遠くに蛍火の宴 漂う海月(クラゲ)の幻か
吐く息の水面照らす 追憶の夜に怪しきは
フォスフォレッセンス
由良由良と
由良由良と
由良由良と……