賢者の創作石

Philosopher’s Art Stone

記憶を取り戻す探偵2

 

<生まれてから言葉を話す前の幼年期>

 

赤ん坊の私は2つの価値観の衝突を目の当たりにしたに違いない。

文化の違いくらいの印象の価値観の違いだったかもしれない。

私は、自分の価値観を主張した際に他の価値観と衝突するシーンの

行く末のようなものを目撃したに違いない。

言い争いという形で。

またはそれ以上の。

 

私は2つの価値観の戦争に巻き込まれたに違いない。

 

実際に、歩けるようになったくらいのとき 父と母に両側から手を引っ張られて

肩を脱臼したことがあるという話は後から聞いた。

(でもすぐにまた元に戻せてたいしたことはないらしい)

 

ーーーーー

 

母が末期の癌と診断されて逝ってもうずいぶん経つ。

今度はその時に心配した、妹に癌が見つかって何年後かに転移して今に至る。

私はいつでも待機中のつもりでいるけど、妹とはもう10年以上コンタクトがない。 

妹が音信不通にしたがる原因はわかっていない。

ヒントはずーっと前の前回、会った日に妹が言った印象に残っている言葉が

「私は私。」

これは定かではないけれど私はもしかしたら

自分の価値観を押し付けたのかもしれない。

 

波長がズレていて自然に(一応見かけは妹は意図的にだけど

離れてしまっただけかもしれない。

 

 

叔母を通して妹の状況は耳に入り、大きな病院で標準の治療を受け続けていたけど

私の考えは違うことを薦めたくなっていた。

癌という健康状態から出られた人もたくさんいるので

その人たちがどうやってバランスを取り戻したのか、それぞれ調査すれば

そしていろいろと自分改造にトータルで同時に試してみれば

どこかで結果が出始めるはずだ。

 

経済的な負担がそんなにかからないものもたくさんある。

1つの高い健康食品だけ試して「効かない」などの声も目立つ。

実際に叔母を通して、私からの情報でないようにいくつか託したりもした。

今のところは関心を示さなかったようだ。

 

 

現在、通っていた大きな病院から最寄りの小さな病院を紹介され

またその病院から最期のケア用の入院する所を紹介されたとのことで

「死を意識させられた。」とメールが叔母にあったらしい。

 

こういう状況は私の周りには妹だけではないし、

周りにそういう人がいるのは私だけではないと思う。

 

 

私は自分の価値観の主張に注意しなければならないという重い思いがある。

妹は妹なのだ。

彼女が選んだ選択なのだ。

もう十分に伝えてあるのだから、もう手を出してはならないのだ。

 

 

こういう時、私は自分の価値観をプッシュしそうになり

それを抑えなければいけないという拮抗のエネルギーが激しく生じている。

 

外側の衝突を抑えるために内側のエネルギーが衝突している。

 

そして赤ん坊の私がそれを見ている。

 

失われた記憶の中で。

 

 

 

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(続く)