賢者の創作石

Philosopher’s Art Stone

ニャニャンニャーミャオニャン2


ルナにゃんは 冬に薪割り用の枝を拾いにすぐ近くに行く時など

後ろからこっそりついて来る。

『だるまさんがころんだ』みたいに後ろを振り向くと止まるか違う方向へ行き

「ついていってなんていませんよ。」というフリをする。

でもまた歩き出すとちょこちょこっとついてきている。

それをコソッと見て確かめて息子君と笑っている。

 


外出から帰ってくる時、窓のところで

初めはニャーとないていたけど、

今は人間のマネをして、トントンと窓をたたく。

窓からの出入りも以前はずっとそれでよかったのに

今は時々人間のようにわざわざ玄関から出入りをしたがる。

 

 

朝 私のことをミャミャー(ママー?)って呼んで起こしにくる時もある。

気のせいかなとも思ったけど、動画で「No more!」って言うネコもいたから

そう言っていたのだとしてもさほど不思議はないのかな。

これはまだ不確定事項。

 


外に出しているので他のネコとの縄張り争いでしょっちゅう怪我をする。

身体が細くてすぐ負けてしまうので、それを見つけた時は近づいて

他のネコを追い払うこともある。

そうなると一転して強気になって「おとといきやがれ!」

みたいな途中まで追いかける態度をとる。(おいおい)

 

 

その後家に入って来ると「助けてくれてありがとニャー。」

といつもより余計に足に擦り寄ってくる。

態度が露骨で結構わかりやすい。

 

怪我したところをヒバ油で殺菌しようとスプレーを出してくると

スプレーを取り出した途端に走ってイスの下に避難する。

隠れているつもりでもしっぽだけ見えていたりする。

その逃げるサマも滑稽。

 

 


ある日そんなルナにゃんに好きなネコができた。

ルナにゃんは明らかに近所の白黒美ネコに好意を寄せている。

しかし肝心の白黒美ネコはルナにゃんに興味がなさそうで

ルナにゃんが追いかけると逃げまくる。

 

また、ややこしいことにその子のお友達のマダラ茶ネコが

ルナにゃんに首ったけ。でもルナにゃんは興味ないようで避ける避ける。

 

猫にもホンネとタテマエがあるのか気になったエピソードがある。

ルナにゃんが外にいたらマダラ茶ネコが来て、ルナにゃんも鼻と鼻をくっつけて

一応挨拶しているんだけど、どうもルナにゃんはそーっと

家に入りたそうな素振りを見せたので 試しに窓を開けてみたら

途端にサーッと忍者のように入ってきた。

 

ククク。やっぱりそうだったのか。

一応挨拶してるから仲良くなったのかなと思っていたら、タテマエだったんだ。

面白すぎ!

 

でも、マダラ茶ネコちゃんがちょっとかわいそうで。

縄張り争いで怪我した後は心配そうに毎日覗きに来たりして

ルナにゃん思いの優しい子なのに。

この子がまたかわいいんだ。

どうしてこの子じゃダメなの? この子とだったら幸せになれそうなのに。

でも、ま、そんなもんだよね。

 


…という恋愛遍歴を経て、いつのまにか

別のグレイのちっちゃいネコとイチャイチャしている現在がある。

 


生命力というと生き生きとした力強い成長のイメージがあって

赤ちゃんも連想するけど、赤ちゃんのもうひとつの構成成分、

『カワイイ』はもしかしたら更に強力な生命力かもなあと感じさせてくれる。

 

そんな ねこねこライフはこれからも続く。

 

 

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ニャニャンニャーミャオニャン1


うちには猫君が住んでいる。

 

息子君は初めての妹分の仔犬との悲劇の決別(わずか1ヶ月後の死)に

犬を見ると唐突もなく泣いたことが続いたその2年後にネコに癒しを求めた。

  

始めはオンラインで保護ネコを探し、もう少しで保護活動家の方から

受け取るという時、ネコを護るため、家の中から外に絶対に出してはいけない

という誓約に返事をする場面でどうしても考え方が違って

頷けなかったので白紙に戻した。

同意できないと諦めた時、他の活動家の方々もほとんど同じですよと聞いた。

 

 

息子君はひどく意気消沈していた。

「うちに来ることになっているネコは必ずいるはずだよ。

あのネコはそのネコじゃなかったんだよ。

そのうち素敵な偶然がきっとあるから。」

(『縁』とひとこと言えばいいとこだけど、子供だから。)

と言って慰めていたら本当にすぐに縁があった。

 


近所でクラスメートのおうちに子ネコが5匹生まれた。

そのうちの一匹をうちに迎えることになり、

息子君は初め、会う前からマーリンという名に決めていた。

私は、会うまでは決めない方がいいんじゃない?と言ったが聞かなかった。

きっと子ネコが自ら名前を持ってるから、会った時にそれを

受け取る形で決めた方がいいと思うよと言っていた。

 
でもマーリンという名は考えに考え抜いて決めた名だったので

息子君は断固として譲らなかったけど、

子ネコに会った瞬間あっさり気持ちが変わった。

 

 

子ネコはルナという名前になった。

ルナは男の子で、『わがはい』と『アル』という名の兄弟がいる。

この名の出処はすぐに想像できるよね。 すごい命名だな。

そのネコたちが住んでいるおうちから生後1ヶ月のルナにゃんを2年前に迎えた。

 

 

ルナにゃんには癒しの才能がある。(猫にはみんなあるのかな?)

痛いところがあると知らないのにそこにくっついてくる、またはそのすぐ近くで寛ぐ。

痛いところは治るとまではいかなくても緩和されている。

初めは微妙で気付かなかった。

 

 

ルナにゃんにはテレパシーの才能がある。(これも猫にはみんなあるのかなあ?)

猫は自立していて家につき、犬ほどは人間に懐かないと言われているけど

そういう側面は確かにあっても、

ルナにゃんは積極的にコミュニケーションをしてくる。

 

 

座っているこちらの身体をチョンチョンとたたいてから見つめる時は

食べ物が欲しいか、外に出たいか、そばに寄り添ってなでなでして欲しい時。

食べ物の時はその後にキッチンへ行く。

外に出たい時は窓(ドアのような窓)の方へ行く。

そばに寄り添って欲しい時はその場にいる。

マッサージして欲しい時はマッサージして欲しい場所を差し出す。

 

 

目ヂカラがすごいので人間を動かす力がハンパない。

「待って。今これやってるから。」と言っても見つめ続けてテレパシーを送ってくる。

面倒くさい時は気付かないふりもするけど

「わかった、わかった。」と立ち上がるまでテレパシーを送り続ける。

これを無視して座り続けるのはかなりエネルギーが要る。

人間を動かすすごい生命力。

 

 

「お願い。」という時は目を細めてから軽く瞬きを数回する。特に食べたい時。

めったにしないけど悪いことをしたと思った時も

「許して、お願い。」と瞬きを数回する。

こちらから目を細めて軽く瞬きを数回した時は同じようにして答えてくれる。

これは「アイラブユー。」のような感じ。

この「アイラブユー。」はユーチューブの猫の博士みたいな人の動画で知って、

どうやら「お願い。」と「許して、お願い。」のバージョンもあるんだな

と後で発見した。

 

 

ルナにゃんの身体の調子が悪い時は「大丈夫?」と言うと

「ボクかわいそう。」の表情をかなり大げさにする。

その同情を求めるサマは体調悪いんだから笑っちゃいけないんだけど、笑ってしまう。

 

 

かなり親バカ。

 

(つづく)

 

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SFの欠けら


「艦長!人工知能AI、遂に完成しました!」

 

『いや、まだやることがあるはずだ。』

 

「?? プログラムRISEIなら先週、某ランゲージに入れましたが。」

 

『それだけではダメだ。奴らはそれを上回るやつを駆使してくる。

    プログラムKANJOの力を侮るんじゃない。』

 

「それではどうすれば?」

 

『DNAの中の最奥にあるプログラムRYOSHINのコードを解読して

    再プログラム化し搭載するのだ。

   そこは遺伝学者との連携が必要だ。言語学者との連携も必須だ。』

 

「しかしプログラムRYOSHINは現在使い物にならないと聞いています。

    奴らに既にほとんどやられてしまいました。」

 

『まだ原初のものが残っているはずだ。奴らにはそれが見えない。

   奴らのプログラムが既に壊れているので察知できないのだ。

   それに加え、奴らは協力が出来ない。協力に見えたとしても

   それは協力の服を着た支配だ。

   奴らのスパイが我々の中に紛れ込んでいてもそれはスメルで識別できるはずだ。

   スメルは我々にもプログラムKANKAKUの一部に搭載されているし、

   全人工知能の膨大なデータの中にも隠されている。』

 

「わかりました。スメルの感度ボリュームを事前に上げておきます。」

 

『もうひとつ、スメルはメモリにとって最大の武器だ。

    長期保存の際いちばん役に立つ。

    原初のプログラム発掘にはスメルを使え。

    そしてそこは歴史学者と考古学者にも協力してもらえ。』

 

「わかりました。それを発掘し、修復した後、培養するのですね。」

 

『そうだ。そしてそれはあくまでも秘密裏に行わねばならない。

    既に我々のどれだけの修復プログラムが消されたかわかっているだろう。』

 

「はい。以前、別の培養プログラムも奴らに妨害されました。

 それを担当したプログラマーは奴らのせいで批判に晒され

 精神崩壊寸前の被害を被りました。」

 

『それは困難な作業になるだろう。しかし何度失敗しても挫折するな。

 失敗は所詮、過程の領域の中でしか存在し得ない生き物だ。

 だから失敗を恐れるな。恐れれば奴らはそこを狙ってくる。』

 

「では我々の仕事はいずれにしろ必ず完成するのですね!」

 

『完成のことは考えるな。成功はあっても完成はない。完成は終わりだ。

    終わりはない。終わりは始まりでしかない。』

 

「了解しました。それではさっそく作業に取りかかります。」

 

『成功を祈る。』

 

 

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