賢者の創作石

Philosopher’s Art Stone

父石の数学は魔法だった


小学校低学年くらいだったと思う。

(今は亡き)父石が数学の魔方陣のことを教えてくれたのは。

 

たぶん足し算引き算ができるようになったからその時期なんだろうな。

私は算数は別に得意な子供でもなかった。苦手でもなかったけど。


方陣は不思議で不思議で夢中で計算した。

計算なんか嫌いだったのに。

作り方を教えてくれて今でも覚えているけど、ちょっと興味が湧いて検索してみたら

父石の教えてくれた魔方陣はどこにも載っていないようだ。あれ??

(一般的なのとちょっと違うやり方なのかな?)

 

その前はクイズ(&パズル)をよく出してくれて、どれも驚きがあるもので

絶対に最後まで答えを聞きたくなくて必死で考えた。

1日中その問題から頭が離れなくなって

答えが閃いた時の喜びはなんと表現したらよいか。


数の不思議やちょっと怖いものや(答えとしての)パンチラインが笑えるものまで

そのどれもがキツネにつままれたような気分にさせてくれる

最高の問題を選んでくれたのだなーと感慨にふける。

 

その時のクイズは大きく分けると2種類あって、

論理的に根気よく攻めていけば必ず解ける種類と

もう1つは考えている途中で先入観をうまく外せると途端に解ける種類と。

 

私には後者の方が圧倒的に面白かったけど、

前者も絶対に解くぞという意欲は湧いていた。

子供だからこういう言葉ではわかっていなかったと思うけど、

子供の言葉でそれなりにわかっていたことは記憶している。

 

中学生になると初めの数ヶ月くらいは

メビウスの帯がでてきたことで興味をなんとか保っていたけど

その後は数学は大の苦手になった。

微分積分なんかはこの言葉以外何も思い出せない。

穴を掘って「クソつまらねー!」と3回叫んでから穴を埋めたいような気分だった。

 

それでも π は 3.1415926535897932384626433832795028841971693…

の教科書に載っている部分だけは今でもおぼえている。

それは授業がクソつまらなかったからその部分を

授業中の白日夢の中で呪文のようにおぼえてたから。

(九九とか日本の呪文のようなおぼえ方は素晴らしいと今でも思う。

 そうでなきゃ数字で覚えなくっちゃいけないもんね。)

 

想い出してみると、父石の数学伝授には驚きがあった。

発見があった。

冒険があった。

ユーモアがあった。

不思議があった。

神秘があった。

美があった。

 

愛があった。

 

 

 

ーーーーー

処々で過去のことをふと想い出す意味が少しづつわかってきた。

どうやら今、石を創る理由は、石は記憶を象徴しているかららしいということも。

学校に関係してたんだね。なるほど。

そう思うと人生も面白いクイズだなあ。

 

 

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 <追記>
*肝心なところが抜けていた気がしたので藍色で付け加えた。
だけど、この『愛』という言葉、なんか、愛って何?ってところをクリアしないとそうやすやすと書いちゃいけないんじゃないかみたいな微妙な抵抗感がある。LOVEなら一応同じような意味ということになっていてもわりとさらっと書きやすい。愛って何?なんて超ウルトラ級の課題で手に負えないし、そんなこと言ってたら一生使えないもんね、この字。
まあ、愛媛、愛知ならさらっと書けるけど。