賢者の創作石

Philosopher’s Art Stone

記録

久 之 謡ヒ

雨こんこん 夜笛の響 幽かなり 聞こゆ 冬枯れの 響き追ひて 生くるも死するも おなじき源 鬼船屋形 平の海人船 沖つ真櫂漕ぎ出でぬ 梅の花に栄ゆるも 松の枝にかぎろひも 無常流転 炎円環 称へ給へ 朝栄え 称へ給へ 夕映え かくのごとく 宣ひける かくれんぼ…

追憶のフォスフォレッセンス

古里に機織り在り 外灯り暗し 縦糸に星 横糸に闇 星の煌めきたるがゆえ 闇の安らかなり 夜魔に襲はるる海の汐 思ひ沈む船の舵取り惑ふ 天彩る道の星之きも 命(メイ)織りなす神秘の戯言も 地なる瓶(カメ)に汲みたる光の束 土なる生 根なる命 茎なる力 宵闇の…

万屋商ふ

よろづ須く 表はれたるもの 黄金の境有りて 是執り行なふべし 金錬る識の 極めたるを以て 時の間に 隠しスえらるるは 王なる冠賜ふ よろづ術から句 現はれたるもの 黄金の界有りて 是録り行なふべし 菌練る四季の 醸したるを以て 術の間に 顕はし据ゑらるる…

種 既に蒔かれけり (2)

よろづをしたたむ玉水のゆくへ 悉く写す万華の鏡 睫見えぬも足下から鳥が立つ 狐は如何に めさましぐさ食む卵孵しの理 弧は如何に 地鎮鬼火よ 芽流樺をして仕組み 聞こしをす麻本呂婆の 種 既に蒔かれけり 言の葉 足るまじくなむ よのすゑ騒がし 形 而して上…

種 既に蒔かれけり (1)

睡蓮打ち眠れば淵池 モネのマナこ久しきに捕わるる 縦横無尽 縁環の術 然れば蔵の中 生きとし生くるもの 巻貝 逆巻貝をして しほうみ みづうみ いづれか いはんや鱗かな 種 既に蒔かれけり 平家の落人 いづこにあらむ 助くるも国落人 養ふも国落人 隠り世の…

黄金太陽

想い出せ ティファレトの職人 忘れ去られた 光の断片を 拾い集めて 束にする技を 東に出会い 西に追う 大地に根を張り その虹色に輝くを しっかりと瞳の奥に焼きつける時 そう 我らは 太陽の民 闇に向かひて たった今 宣言するのだ ここに蘇るは 黄金の技 ー…

一の年 蟹ありく いか秤

かりそめの春過ぐ 陽高き一なる半夏生 前菜かなしんげつほのみゆ 来たるまことの春御前也 望む火熾し音ゆるし蟹ありく かのひとがた聞きも敢へず 磯隠る亀おとづる 甲羅の便りはいまや何処 浮雲花染め移ろいやすし 栄耀一睡のうちにして ああ如何ばかり いか…

涙腺上のアリア

生の喜び 生の悲しみ 終わりは始まり 始まりの前奏は ハ短調エチウドの調べ 即ち之縁の技 古今東西 無常往來 須く須く時の過ぎ行く 延長線上の幻の像なるべし 洞窟の暗闇 やうやう新しき光呼ぶ 河童の戯れなるに 湖の果て 未だ視ぬ有り明けの景色 愛で 八千…

時掟つ

ほうき星の魔女 月から宵の明星へ エウロパは かつて傷つき 氷床の底に 影が蠢く 遥かなる太陽は 遥かならず 冷たい触媒を 示す旅人が 幻想の歴史に 終止符を打つ ブリキの太鼓は 鳴り続ける 1回 2回 3回 4回 5回 6回 7度目なるか 無に帰すか 繰り返…

追憶のゆくへ

追憶の断片 掻き集め 融き放つ そは川 そは海 そは宙 球は胎動 初めに出会った旅人に油を注ぐ 破壊の城は やがて崩れ 徒然なるもの 深淵なるもの 共に光輝く 試金石は ほらすぐ足元に 神々の戯言は過ぎ去り アルパとオメガの饗宴が始まる 戯れん 時の職人や…

ヤマトゥノミココロ 2

陽の眼を識る スフィンクス 塩基と石の葉は語り アヌは巡り 最期のつるぎを差し出す 大和のみこころ 蘇り給えと 遥かなる呼び声は 走馬灯のごとく 石 ここに蘇るなり Sol

ヤマトゥノミココロ

大和の里 息を吹き込まれたるものの古里 国ではなく 人でもなく 線のない親土の声 繋がる先に やがてひとつとなり 未だ来ぬ 記されえぬ歴史を創る 暗闇の中 僅かな灯りの感覚を頼りに 進む先には (続く) Tef

あなたを

私の中にある 過去の旅に連れて行こう。 そこは未来に繋がっているから。 Ark